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2008.3.10 up
■ 公益法人改革 国民の信頼回復めざす 冬柴鉄三国交相(公明党)に聞く
   徹底検証し50法人を半減 4月中に最終取りまとめ
公益法人改革への決意などを語る冬柴国交相
道路財源からの不透明な支出が大きな問題になっている国土交通省所管の道路関係公益法人の改革をめざし、冬柴鉄三国土交通相(公明党)は7日、自身が本部長である「道路関係業務の執行のあり方改革本部」による道路関係公益法人に関する改革方針の中間取りまとめを発表した。中間取りまとめの内容と公益法人改革への決意などについて冬柴国交相に聞いた。

中間取りまとめの要旨

――今回の中間取りまとめのポイントは。


冬柴国交相 最も大きな改革のポイントは、道路関係公益法人の半減をめざすとしたことです。

2006年度に道路特別会計から500万円以上を支出した国交省所管の公益法人(道路関係公益法人)が50あります。この50法人について、道路財源からの支出の必要性を徹底的に検証した上で、廃止や統合、民営化など組織形態の見直し、そして道路財源からの支出取りやめにより半減させることをめざします。

――報道などで特定の公益法人の名前が取り上げられたこともありましたが。

冬柴 ご批判の強かった中から、今回の中間とりまとめでは、4法人について具体的な改革方針を決めました。

地方都市の繁華街などを中心に全国で14ある、直営駐車場の利用者低迷が指摘されていた(財)駐車場整備推進機構は、駐車場の運営業務を民間委託し、2009年度中に解散します。

(財)海洋架橋・橋梁調査会も解散し、橋梁点検業務は(財)道路保全技術センターと統合します。3冊の報告書に1億円が支払われたとの批判があった(社)国際建設技術協会には今後、道路特定財源からの支出は行いません。

(財)道路保全技術センターは、同法人が著作権を持つ、橋梁やトンネルなどの構造や補修履歴のデータベース「MICHIシステム」の業務のうち、著作権にかかわらない作業を民間委託することで、同法人への委託業務量を半減させます。

――その他の公益法人については。

冬柴 例えば(財)建設弘済会8法人については、民営化する方向で具体的作業を推進します。公益法人として存続するものについても、ポスト数が多いと批判の強い常勤役員数の削減と給与水準の抑制などにより、総人件費を抑制し、同時に非常勤役員数も削減します。さらに法人の支出内容も調査し、適正化を指導します。

調査研究費用や広報公聴経費、委託業務費、宿舎などについても改革を進めます。

――随意契約や福利厚生費などについては。

冬柴 随意契約の改革については既に、今年(2008年)1月から民間参入の拡大や競争性の高い契約方式への移行、第三者機関による監視体制の強化など改革に着手しています。

職員のレクリエーションやマッサージチェア、アロマ器具など報道でも取り上げられた福利厚生に関する経費は、国民の目線に立って不適当と思われるものについては今後、一切、道路財源から出さないことを決めました。

また職員の旅行費用の丸抱えが問題になっている(財)公共用地補償機構については、役員と管理職が直近5年間に機構が旅費として支出した2100万円の半額を返還させるべきだと伝えました。

――委員会の場などで与党の自民党、公明党からも批判の声が上がりました。

冬柴 何よりも国民の皆さまが厳しい視線を注いでおられる。与党議員からの批判は、そうした国民の皆さまの声を代弁しているものととらえています。真摯に受け止め、たちどころに改革していかなくてはとの思いで、今回の中間取りまとめとなりました。

政治主導で決断 人件費抑制し支出も適正化
  駐車場整備機構廃止など4法人で先行実施


――法人数や経費の半減など、かなり思い切ったものになりました。

冬柴 小手先の改革であっては、失われた国民の皆さまからの信頼を取り戻すことはできません。最終的には私自身の決断で、政治主導で決めました。

改革はタブーなしで議論

――改革方針の最終取りまとめに向けてのスケジュールは。

冬柴 改革本部を立ち上げたのが2月22日。それから約2週間で30回以上、打ち合わせや議論の場を設けて今回の中間取りまとめとなりました。時間がなかったこともあり、メンバーは私たち政治家も含め国交省からの人選となりました。

今後は外部有識者からのご意見も頂きながら、4月中の最終取りまとめに向けて、タブーなしで改革への議論を進めていきます。それまでの間、結論が得られたものは随時公表し、実行に移します。不退転の決意で公益法人改革に取り組んでいきます。

――国民へのメッセージを。

冬柴 今回の対策本部立ち上げの発端となったのは道路特定財源問題でした。原油高騰や輸入食料価格高騰などが家計を直撃している中で、私たち政府・与党は道路の中期計画を策定し、ガソリン税などの暫定税率維持を国民の皆さまにお願いしようとしています。この時に、道路特定財源の支出についてこのようなムダ遣いが指摘されていては、とても国民の皆さまにご納得いただくことはできません。そうした思いで取り組んできましたし、今後も取り組んでいくつもりです。

今後、日本は本格的な人口減少社会を迎えます。地方ほど、その傾向は顕著になると思います。そうした中で国際競争力を強化し、経済成長を維持していくキーポイントは人流・物流の活発化であり、それを支えるのは道路のネットワークだと考えます。

2月23日に、新名神高速道路の亀山〜草津間が開通しました。亀山には有名なシャープの亀山工場があります。高速道路の開通で亀山側(三重県)で74社の企業が進出し、滋賀県側では66社が進出するそうです。道路が、地域経済活性化の大きな起爆剤になっています。私はこの10年が道路ネットワーク整備の最後のチャンスだと見ています。

また橋梁の点検や補修、通学路の安全、開かずの踏切対策、救急医療時の“命の道”整備など、道路財源は安全・安心にかかわることにも幅広く使われます。

私たちの子や孫の世代に、活力ある、安全で安心な日本をバトンタッチするためにも、道路ネットワークの整備は重要です。どうかご理解とご協力を、心からお願い申し上げます。

      *

道路関係業務の執行のあり方

改革本部の中間取りまとめ(要旨)

1 方針として決定した事項

(1)(財)駐車場整備推進機構は、14駐車場のすべての運営業務から撤退し解散(2009年度中に完了)
(2)(財)海洋架橋・橋梁調査会は、海峡横断プロジェクトに関する調査を今後行わず、解散。橋梁点検業務などは(財)道路保全技術センターと統合(同)
(3)(社)国際建設技術協会に対し、道路特定財源からの支出は行わない(08年度から実施)
(4)(財)道路保全技術センターについて、「MICHIシステム」業務のうち著作権に関わらない作業を民間委託することで、当該業務についての同法人への委託業務量を半減(同)

2 方針決定に向けて急いで検討すべき事項

(1)公益法人のあり方
(1)06年度に道路整備特別会計から500万円以上の支出がある国土交通省所管の公益法人(道路関係公益法人)50法人について、道路特定財源からの支出の必要性の徹底的な検証を行った上で、廃止や統合、民営化など組織形態の見直し、道路特定財源からの支出取り止めにより法人数の半減をめざす
(2)(財)建設弘済会8法人については民営化する方向で具体的作業を推進
(3)道路関係公益法人として存続するものについては常勤役員の削減と給与水準の抑制などにより総人件費を抑制。非常勤役員数も削減
(4)法人の支出内容を調査し適正化を指導

(2)支出のあり方
(1)道路関係公益法人が行っている調査研究(現場業務と直接関わらないもの)を、民間企業実施にすることなどで半減
(2)広報公聴費の内容の精査、額の適正化などにより半減をめざす
(3)連絡用車両と関連委託業務の見直し
(4)災害時の早期対応用のものを除き宿舎を計画的に削減
(5)本局のチェック機能強化のため、工事契約以外の役務支出について国道事務所長の決裁権限を縮小。車両、広報公聴支出に本局が関与する仕組みの導入

−−−「公明新聞」より転載−−−